認知症の父を持つ女性が語る介護の知られざる日常

中国にて行われている当グループの公益医療事業より取材

父は80歳になります。

脳血管疾患の影響で手が震え、食事のときにはどうしても食べこぼしが多くなってしまいます。本人が一番気にしているのですが、うまくいかないことも多く、家族としてもどう支えればいいのか悩んできました。

食事のあとにズボンを見ると、油染みが点々と付いていることがよくあります。

洗濯しても落ちないものも多く、気づけば履けなくなったズボンが何本も増えていました。

床に落ちたご飯粒も、すぐに片づけられないと、立ち上がった拍子に靴で踏んでしまい、部屋のあちこちに広がってしまいます。

これまでにも、いくつか食事用エプロンを試しました。

エプロン型のものは太ももまでは覆えず、シリコン製で小さなポケットが付いたものも、思ったようには使えませんでした。

「仕方がない」と諦めかけていたのが正直なところです。

そんな中で使ってみたのが、株式会社錦宮が提供した大判の食事用エプロンでした。

体からテーブルの上までを広く覆う形で、前には大きな食べこぼし受けがあります。

初めて広げたとき、「これなら届くかもしれない」と思いました。

実際に使ってみると、食べこぼしが床やテーブルに落ちることがほとんどなくなりました。

ズボンも汚れず、食後の片づけはエプロンを拭くだけです。

ほんの小さな変化ですが、毎日のことなので、その差は想像以上に大きく感じます。

父自身も、ズボンを気にせず食事ができるようになり、少し表情が和らいだように見えました。

派手な柄を選んでしまったかなと思いましたが、着けてみると不思議と愛嬌があり、家族の間では「似合ってるね」と笑い合える時間も増えました。

介護の中で、劇的に何かが変わることは多くありません。

それでも、毎日の負担が少し軽くなるだけで、気持ちに余裕が生まれます。

この食事用エプロンは、そんな「小さな助け」になってくれました。

逸名

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